〇〇の春

♫ しいぃらぁかばぁ〜あおぉぞぉーら、みぃな〜みぃかぁぜぇ〜 ♪


千昌夫の「北国の春」です。何十年も前のことですけれど、亡き父親がよく歌っていました。この季節になると、ふと思い出したりします。



この歌、カラオケなんかで歌ってみると、結構難しいんですよ。出だしを思いっきり高い声で始めないと、曲が進むにつれてどんどん音程が下がっていくんです。途中から低い声が出なくなるので、出だしが肝心。最初に高い声を張り上げる必要があります。



この歌い出し、父は上手でした。町内会の夏祭りにステージがあって、昔は8トラでカラオケしてんですね。8 トラなんて今は無いので、知らない人も多いことでしょうけれど、小さい頃の記憶では自動車の中にも再生装置がありました。そんなことはさておき、父は、この夏祭りのステージで必ず歌うんです。自ら手を挙げて、北国の春を。



父がステージに立つと恥ずかしかったです。歌い出しはいいんです。高らかと、気持ちよく。町内に響き渡る声ーーーでも、だんだんと歌うテンポが早くなってーーーー今でいうと、マイワールドに行ってしまった状態でしょうか。あきらかに、伴奏置いてけぼりで、歌は進む進むーーーーそしてその歌はカセットテープに録音されて、記念にもらった父はニコニコ顔で満足していました。でも私はそのテープを聴きたくはありませんでした。



父の形見は、何も持っていないけれど、今思えばこの思い出が形見でしょうか。




「ぬか漬けの春」そう、このことを書こうと思っていたのです実は。先日に真っ赤なビーツをぬか漬けに入れてしまったことを書きましたが、それが思わぬ効果になりましたよ。



キャベツの芯を漬けてみたら春色に♪