宮城にて(奥松島)

 先週、一週間の休みをとって妻と二人宮城県を旅した。5年前に1年間、私は宮城県石巻市東日本大震災の復興支援で働き、妻も石巻でボランティア活動をしていた。私はそれ以来の宮城県、5年ぶりである。

 今日、職場の女性に、石巻でいただいた飴玉「かきあめ」を渡して、かきの風味がするから食べてみて!と食べさせたら、果物の柿だと思っていたらしく、牡蠣だと知って悶絶していた。笑ってしまい、つくづく自分は意地悪だと思った。彼女は酒好きな方で、ビールが飲みたくなる!と言って食べてくれましたけれど。

 さて、宮崎に帰ってきてやっと落ち着いてきたので、旅の話をポツリポツリと書いてみようと思う。

 

10月16日の午後、野蒜(のびる)海岸をとおり、奥松島へ向かった。

f:id:masapune7:20191023185432j:image

 海岸線沿いには巨大な堤防の建設が進んでいた。もう少しで完成しそうであるが、あれから5年経って未だに工事していることに少し驚いた。

 奥松島には『縄文の里』という歴史資料館がある。以前住んでいた時には来たことがあったのだが、今日はあいにく休館日であった。ここの近くには展望所があって、整備された山道を30分登れば、奥松島の海と野蒜海岸が一望できる。夕暮れ近くであったが登ることにした。

f:id:masapune7:20191023191933j:image

 登山口では、たくさんの赤トンボがお出迎え。手すりにとまるトンボに手をゆっくり差し出しても逃げなかったので、人さし指でトンボと握手ができた。ラッキー

f:id:masapune7:20191023192759j:image

 展望所の石碑。初めなだらか、頂上に向かうにつれ急になってくる坂道。一度登ったことのある山路であったが、前回も途中で後悔したことを二人で思い出しながらようやく辿りついた。

f:id:masapune7:20191023192650j:image

 野蒜海岸。巨大な堤防は海岸線に沿って二重に整備されているのがわかる。津波が堤防を越えてきても堤防が二重になっているので、逃げるための時間稼ぎができるようになっている。

f:id:masapune7:20191023194145j:image

 サンセット!奥松島。美しい〜日本列島の東側、太平洋側の海岸で日の入りが眺められるのは貴重ではないだろうか。そろそろ日が暮れそうなので下山することにした。

 下山中、急な階段で若いカップルとすれ違う。彼はラフな格好で普通のスニーカー、彼女はグレーのスーツにハイヒール??なにかおかしいぞ。この山路で彼女が足を挫きそうで心配になった。妻と、彼が止めないとダメだわ!と歩きながら話をした。いくら夕日が綺麗でもね〜

 しかし、しばらくして僕のなかに、ふと好きな唄の歌詞が頭に浮かんだ。

 

 夕焼けが綺麗だった、初めてあった夜も

海沿いのドライブウェイで同じ空をみていた

かすかに触れたあなたの唇

今日は別れの言葉を探している

髪を切った土曜の午後

何かを変えたかった

離れていく心を繋ぐ魔法を探していた

愛してる…想いが募るほど

きっとあなたの自由を奪っていた

ああ、さよならは言わないで

もう少し私の側にいて

せめて夕日が沈むまで    by Mari Iijima